今回は前回紹介しました「女神の継承」の解説記事となります。
ネタバレMAXでいきますので、まだ女神の継承観てないという方は予めご了承ください。
ネタバレなしの記事はこちらになります。
先に本編観てから解説記事読みたいという方はアマプラで観れますよ。
(2023年3月現在レンタル400円)
めちゃくちゃおもしろい女神の継承なんですが、せっかくなら無料で観たくないですか?
実は無料で観る方法があるんです。
U-NEXTならなんと無料で観放題!
なぜなら無料会員登録で31日間無料トライアル実施中だから!
U-NEXTはアジアのホラー映画も充実してます。
ぜひ試してみてください!
U-NEXT無料会員登録はこちら!
31日間無料トライアル実施中!U-NEXT
ではさっそく解説、考察をしていきましょー!
※動画版も作りましたのでお時間のある方はぜひこちらもご覧ください!
恐怖の儀式本編映像(公式)
女神の継承ネット上の感想(Twitter)
女神の継承 観賞!
可愛らしい美女が徐々に蝕まれる姿と悪の根源を探すストーリーが面白い一方で「ホラーはこんなもんかな」と思ったら後半ですよ!!!
もうやりたい放題で、全てを出し切ったかの如くホラーをかましてきました。容赦なし規制なし救いなしな最強ホラー爆誕です。 pic.twitter.com/sFAcjbJj9c— 狩られたクマ (@villan_love_87) April 1, 2023
放置してた女神の継承を観た。
フィクション映画ではなくドキュメンタリー映像だと勘違いしてしまう程の出来だね。
タイ版エクソシストみたいな?
昼間のホラー最高⚡️ pic.twitter.com/9dApJSRR4p— さぶ☆歯列矯正中🦷2021.7.9〜 (@sabu1977xxx) April 6, 2023
女神の継承解説&考察
ミンはなにに憑依されていたのか?
ミンに取り憑いていたもの、それは売春婦、子供、呑んだくれのおっさん、獣(おそらく犬)、そして謎の悪霊。
売春婦は父親の葬式のシーンや、トゥクトゥクに乗っていた時に正面に座っていた女性にブチ切れていた所から推測できます。
子供はミンの友人のスマホ動画から。
吞んだくれのおっさんは仕事クビになった夜にラッパ飲みしているところから推測。(ミンの友人は最近のミンは以前よりもお酒を多く飲むと言っていたので。)
獣に関しては家で生肉を喰らったり、人を喰っていたところから。
そして悪霊に関してはニムとの会話だったりバヤンに憑依されたノイとのやり取りからバヤンを遥かに凌ぐ凶悪な悪霊であることがわかります。
なぜ取り憑いたのかは後述します。
盲目の老婆は何者だったのか?
葬式で盲目の老婆がミンをじっと見ていました。
力のある祈祷師だとかそういう描写もなく亡くなってしまったので何者だったのかは謎のままです。
既に悪霊に取り憑かれていたミンに何かを感じ取っていたのかもしれません。
盲目ゆえにそういう感覚が強かったのかもしれませんね。
ミン(悪霊)に邪魔になると思われ殺されてしまったのかも。
ウコンの首飾りの意味は
ウコンには浄化の力があると言われています。
ミンがウコンの首飾りをクローゼットにかけていたのは、自分が何者かに憑依された事で、自分が自分でなくなっていくのを強く感じたからかもしれません。
どこかでウコンには悪魔祓いの力があると知って作った(買った?)のでしょうけど、精霊信仰を嫌う母ノイのことを想ってなのか、ひっそりとクローゼットの奥にかけてありました。
仏教で自らを浄化するために利用される塗香(ずこう)にはウコンが入っています。
※塗香とはパウダー状のお香。身だしなみに使われたり水のない場所で手を清めるために使われる。
またハワイのシャーマンはウコンを塩水に溶かしたものを浄化、悪魔祓いなどで利用しているそうです。
兄マックの死を事故死としていた理由
ミンとの近親相姦関係のことが自殺の引き金になっているのは間違いないと思います。
ニムが言っていたように自殺というのは必ず地獄に行くというような重い罰則があると考えられています。
先日紹介した台湾のホラー映画返校や縄の呪い2でも自殺の描写がありましたが、そこでも自殺というのはあの世にもいけず、長くこの世をさ迷ったり地獄のような所に行くと考えられていました。
両親の観点で考えると、マックが自殺したというのを認めてしまうとマックがあの世にいけない、天国にいけないと認めてしまうことになってしまいます。
もちろん自殺してしまっているので認めるとか認めないとか関係ないんですけど。
だからマックは事故死したということにしておいて、きっと天国へ行けると信じたかったのかもしれません。
あとは世間体もあるんでしょうけど。
バヤンの像の首を取ったのは誰か
バヤンの像の首を取ったのはおそらく取り憑かれたミンです。
ミンはインタビューの中で悪霊の姿を答えていました。
ベストに赤いふんどしを履いてるなんてどんなワイルド(笑)
この悪霊にとってバヤンという女神は非常に厄介な邪魔者だったことが伺えます。
この車は赤いというシールの本当の意味
インタビューで監督がヒントとなるようなことを言っていました。
例えばタイでは車を買い替えた時に占い師とかが「あなたがこの色の車を運転すると良くないですよ。」と言ったとします。
でも車を買った人はそんなこと言われても買い替えるお金も色を変えるお金もない。
だからシールを貼る。
つまり何が言いたいのかというと、サンティがあのインタビューで笑っていたのはこんな大変な時なのに迷信に頼ろうとしているんだと自嘲していただけなのかもしれません。
それとも精霊たちはそんな嘘すら簡単に信じるマヌケだから大丈夫だと考えていたのかも?
結果は悪霊が一枚上手でしたね(;^ω^)
ちなみにタイの一部では赤シャツが魔除けになると信じられていて、悪いことが起きると軒先に赤シャツを吊るすところがあるそうです。
ニムも祈祷師としてだけでは生計立てられていませんでしたから車買い換えたりは出来なかったんでしょうね( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
儀式にミンではなく母ノイが参加した理由
この儀式の目的は悪霊を倒すことではなく封じること。
しかしミンに取り憑いていた悪霊はあまりにも多く、そして強いため、その力を削ぐことを第1の目的にしていたのかもしれません。
そのため本体であるミンを部屋に閉じ込めて儀式の邪魔をさせないようにする。
そして代わりとなる依り代に母親ノイを使ったということではないでしょうか。
ノイはミンの母親なので血の繋がりが最も強く、精霊たちはミンとの違いを認識できないと考えたのかもしれません。
そして、ノイに一部の悪霊を移して吐き出させてツボに封じる。
ミンに取り憑いていた悪霊についてはまたその後になにかやろうと考えていたのかもしれません。
儀式はなぜ失敗したのか
儀式が失敗した理由は簡単に言えば悪霊が強すぎたからの一言ですね。
でも失敗させるためにバヤンの力を削ぐ、ニムの信仰心を揺らがせたというのが最も大きい要因となったのではないでしょうか。
悪霊の正体は?なぜミンに悪霊は取り憑いたのか?
悪霊の正体はヤサンティア家に恨みを持つ人々の呪い。
そしてその怨念に近くにいた動物霊なども加わって強大な悪霊へと変わりました。
この中には犬肉の販売のために殺されてきた犬たちの霊もいると考えられます。
なぜミンが選ばれたかというとミンはたまたまそうなった、運が悪かったとしか言いようがないんですよね。
それはニムだったかもしれないしノイだったかもしれないし、もしかしたらミンの子供や孫になっていたかもしれない。
とにかく今回ミンが取り憑かれたのは偶然であり運が悪かったということです。
(ヤサンティア家が祟られたのは必然)
ヤサンティア家の罪
ヤサンティア家は先祖が人の首をはねていたことで多くの恨みを買ったり、工場を経営していたころには倒産した後、放火して保険金をだまし取ったりしました。
放火の際は従業員も工場内にいた可能性もあり、先祖は自分さえ良ければいいというような自己中心的な人間だったようです。
ノイはニムを祈祷師にさせるために嘘をついたり、ミンは職場でセックス三昧、さらに近親相姦に飲酒とぐうの音も出ないほど酷い有様です。
先祖代々、仏教における禁忌を破りまくっていたのがヤサンティア家だったワケです。
ちなみにこの禁忌とは五戒と言われるもので
不殺生戒:生き物を故意に殺してはダメ
不偸盗戒:他人の物を盗んではダメ
不邪淫戒:不道徳な性行為はダメ
不妄語戒:嘘はダメ
不飲酒戒:飲酒ダメ、ゼッタイ
この五戒をことごとく破ったヤサンティア家は呪われて当然のような家系だったのかもしれません。
犬肉の販売と食事はまだ世界の一部でごく普通にある文化ではありますが、国は禁止していましたしあまり好まれている仕事ではなかったのは間違いありません。
そしてこの犬肉の販売による犬殺しの積み重ねが動物霊としてミンやサンティの弟子たちに取り憑いたというのもあるかと。
しかしミンに関してはもともとの性格だったのか、それとも悪霊の影響からそうなってしまったのかは微妙なところ。
あなたはどっちだと思いますか?
ノイにバヤンは本当に取り憑いたのか?
儀式に参加したノイが急にバヤンが入ってきた!とか目をクワっと見開きながら言っていましたが、本当にバヤンが入ったのでしょうか?
精霊信仰を否定し続けていたのにも関わらず悪霊たちを集める依り代になったことでバヤンが入りやすくなったというのはあるのかもしれません。
しかし儀式を再開したときに線香を逆に挿すという謎の行動もあり本当にバヤンだったのか、そもそもノイがパニック状態から適当に口から出た出まかせだったのか。
個人的にはノイが適当に言った可能性の方が高いような気がします。
ニムが死んだ驚愕の理由
作中、これからニムとサンティの悪霊払いが始まる!!って時にいきなりニムが家で息絶えていました。
この展開は本当にびっくりしました。
ニムの死因は映画のラストにヒントがあります。
儀式の数日前にインタビューした映像があり、ニムはバヤンの存在を感じたこともないし儀式の準備なんて意味のないことなのかもと泣きながら語っていました。
この直後にニムはおそらく悪霊により殺されてしまったのだと思われます。
なぜ今まで大丈夫だったのにいきなりやられてしまったのかというと、それは信仰心のゆらぎ。
ニムは死ぬ直前にバヤンの存在を感じたこともなく、いるかもよくわからないと言っていましたが、やはり女神バヤンはいたのだと思います。
バヤンがいたからこそ守られていた。
しかしあまりにも強大な悪霊が敵となり、見たり話したりすることでより強く悪霊の存在を認識し実感したわけです。
そうすると空気のようにごく当たり前に自分にあったバヤンという女神の存在感が薄くなりすぎてしまった。
日増しに強力になる悪霊の力と存在感に圧倒され、ニムはバヤンがいるのか、そして自分のやってきたことは間違っていたのではないかと考えるようになってしまったんですね。
バヤンというのは信仰していれば力は貸すけど信仰しなくなったらさっさと出て行ってしまう、情の欠片もない無慈悲な女神だったようです。(まあ神様なんてそんなものかもしれませんが。)
この映画のキャッチコピーが祈りの先に救いはあるのかなんですが、祈りがゆらいだが最後、絶望しかなかったというストーリーだったんですね。
実に見事なキャッチコピーでした。
ニムは本当に祈祷師だったのか
今言ったようにニムはバヤンに守られていた祈祷師だったと思います。
服飾の仕事をしながらもきっと祈祷師としての勉強もまじめに取り組んでいたのでしょう。
だからこそ村の人々に頼られていて、サンティのような力のある祈祷師とも仲が良かったのだと思います。
まとめ
女神の継承は非常に考察外のある映画でしたね。
ニムが最後までバヤンを信じていたら結果は違ったかもしれないですし、そもそもノイが最初から受け継いでいればこんなことにはならなかったのかもしれません。
バッドエンドなのに本当におもしろく感じた傑作ホラーですので、まだ観ていないという方はぜひご覧になってみてくださいね!