みなさん、最近の日本のホラー映画って観ていますか?
今年2023年は恐怖の村シリーズを生み出した清水崇監督の最新作「忌怪島/きかいじま」や「ミンナのウタ」、リングの中田秀雄監督による最新作で橋本環奈が主演の「禁じられた遊び」など話題作が公開されます。
昨年2022年も実はジャパニーズホラーは結構盛り上がっていて、真・事故物件とかN号棟、きさらぎ駅などが公開され、テレビでも度々取り上げられていました。
そんな話題作も多かった2022年のホラー映画なんですが、その中でも最もヒットした「カラダ探し」という作品をご存じですか?
原作は日本のホラー小説で、小説投稿サイトに2011年から2014年にオンライン小説として投稿された作品です。
2013年から2015年には書籍版がだされ、その後漫画化、アニメ化もされた非常に人気のある作品です。
そして2022年、ついに実写映画化されました。
主演はなんと橋本環奈で、羽住英一郎が監督、主題歌は作詞作曲椎名林檎で歌はAdoが歌うというめちゃくちゃお金かけて作られた作品なんです。
ちなみに羽住栄一郎監督は海猿シリーズの監督で、その他おっぱいバレーや暗殺教室も監督しています。
カラダ探しは公開から約1ヵ月で観客動員数83万人、興行収入も10億円を超えるという2022年の邦画実写映画でも非常に優秀な成績を残しました。
当時SNSでは
・ジェットコースターみたいに展開していくのがおもしろかった!
・ホラー好きでも大満足!新しい怖さを知った。
・めちゃくちゃ感動したしドキドキしたし最高におもしろかった!
など大絶賛だった様子。
これだけ聞くと凄い大作感があってきっとおもしろいんだろうなって思う人は多いはず。
けどこの映画、残念なことにツッコミどころ満載だったんです。
ホラー好きでも大満足?いやいやいやいや…。冗談はヨシコさんですよ(死語)
映画感想サイトのフィルマークスには結構辛辣な意見も目立っていて、個人的にもこの作品については手放しにほめることはできませんでした。
今回はそんな実写映画「カラダ探し」について感想、違和感やツッコミどころ満載のシーンについてお話していこうと思います。
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カラダ探し公式トレーラー
映画カラダ探しってどんな映画だった?としひろの感想
この作品を一言で表すなら「陽キャのための青春ムービー」。
キャッキャウフフな青春時代を過ごした陽キャな人たちが
「陰キャってこんなだよね?マジ受けるw」
「うちらもこんなことしたかったよねw」
「青春って最高だわ」
「学校生活でみんなと一緒に怪物退治やったらおもしろくね?」
って感じで、ホラーだけじゃ勝負できないからキラキラでエモい青春群像劇をミックスさせましたって感じの作品となっています。
辛辣な意見のように思えるかもしれませんが僕の正直な感想です。
ちなみに映画は原作とだいぶ設定が変わっているようで、ちょっと調べただけでも原作小説の方が断然おもしろそうでした。
マンガ版のカラダ探し:異という作品はこの映画をモデルにしているようなので原作を読みたい方は小説版か異がついていない漫画版を読んだ方がいいかもしれません。
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さて映画の話ですが、体が真っ二つとかホラー描写もあるけどそんなに怖くもなく、演出もなんか古さというかどこかで見たような演出ばかりに感じるし、途中から自分はいったい何を観せられているんだろうって考えちゃうくらい冷めた目で観てしまいました。
友達と遊ぶなんてほとんどなかった陰キャな高校生だった僕にはまったく刺さらなかったし、とにかくキッツイ映画でした。
かと言って、つまらないとかおもしろくないとかって一言で終わらせてしまうのはとても失礼なことだと思っているので、なにがキツイのか、どの部分が陰キャの心に響かなかったのかなど話していこうかと思います。
圧倒的なまでの緊張感のなさ
カラダ探しは所謂デスゲームと呼ばれるものなんですが、驚くほど緊張感がありません。
死んだらまた同じ日の朝に目が覚め、深夜になったらカラダ探しというデスゲームに参加させられるんです。
怪物のような少女に無慈悲に殺され、終わりのない日々に精神がいつ壊れてもおかしくない状況なんです。
なのに彼女たちは普通にめちゃくちゃ青春をエンジョイしてるんですw(なんでやねん)
女子同士でカフェに行ってスイーツを食べながら楽しくおしゃべりしたり、デスゲームに参加している全員で海に行って浜辺を走ったり。
それはもうとてもキラキラしててまぶしくて楽しそうなんですよね。
とてもデスゲームに参加しているとは思えないくらい和やかで青春を謳歌しているんです。
さっき僕は、途中までいったいなにを観せられているんだろうって冷めた目で観ていたと話しましたが、その理由がこれです。
ホラーを観たくて観ていたはずなのになぜかゴリゴリの青春ムービーを観せられていた。
なにをいっているかわからねーと思うが俺にもさっぱりわからなかった。
リアルにそんな感想が頭にでてきましたw
死に戻り系の作品はリゼロやサマータイムレンダなんかが有名だと思います。
この2つはどちらもその状況のやばさをうまく描いているし、キャラクターたちの心情の変化などもリアリティがあり、緊張感の出し方もとてもうまいです。アニメですけど。
カラダ探しは仮にもホラー映画なんだからもっと緊張感を出すべきだと感じましたね。
特に原作にある赤い人は歌を歌うとか、そのあたりの設定なんかは残しておいた方がよかったんじゃないかなぁと。
橋本環奈がぼっち?キャラ設定に説得力がない
橋本環奈がハブられててぼっちという設定なんですが、まあそれはいいんです。
ぼっち・ざ・ろっく!のぼっちちゃんも陰キャでコミュ障だけど顔はかわいくてスタイル抜群ていう設定ですしね。
でも橋本環奈がまんま橋本環奈のビジュアルなんですよ?
髪がぼさぼさとか前髪長くて顔が見えないとか不潔感があるとかそういうんじゃないんです。
思春期真っただ中の男子高校生にとってもし橋本環奈がクラスメイトだったら毎日がうっきうきでどっきどきで最高にハッピーなはずです。
序盤にあいつは良いとかかわいいとか話している男子がいます。
その会話の中で「森崎(橋本環奈の役名)は?」「は?あいつはねーわwww」「だよなwww」
みたいな会話があるんです。
これを聞いて僕は正直信じられない気持ちでいっぱいでしたよ。
だって橋本環奈ですよ?
まあ別に僕は大ファンってわけじゃないですけど、それでも彼女がかわいいって思いますし、100人いたら9割以上の人はかわいいって言うと思うんです。
もし橋本環奈にボッチ設定、陰キャ設定を入れるならそういうメイクをした方が絶対よかったと思います。
ばっちりメイクしてめちゃくちゃかわいい橋本環奈でクラスメイト誰からも話しかけられないとかあまりにもリアリティがなさすぎると感じました。
まあこの辺りは事務所とかそういうところの事情もあるんでしょうけどね。
怪物形態の赤い人が全然怖くない
カラダ探しというデスゲームは赤い人と呼ばれる少女の姿をした幽霊に追われながらバラバラになった女の子の身体を探すんですが、そもそも赤い人が怖くない。
なんだか生死をかけた命がけのゲームをしているようには到底感じられないんです。
何故かというと一撃で殺すほどの怪力を持っているのにもかかわらず登場人物たちの痛みや恐怖が伝わりにくいし、襲ってくる女の子が画面に出すぎというのも良くなかったです。
僕はホラー系の映画ではその敵が姿を現すのは最後の最後だけでいいと思ってるし、その方が怖さを感じやすいと考えています。
人は慣れてしまうと新鮮さが無くなり興奮、緊張というのが感じにくくなりますからね。
赤い人が画面に出すぎるのは仕方ないにしても、最終形態のアレはさすがに笑うしかなかったです。
アレはなんかダスキンのモップのお化けがうねうね動いているようにしか見えないし。
みんなで力を合わせて怪物を倒すんだ!って一番盛り上がるところでダスキンのモップ。
ダスキンのモップはほこりがよく取れるのでいいよね。
うちの店でも使ってますよ。
いやいや、そうじゃない。
怪物があの造形で舞台が高校で、しかもみんな制服なもんだからまるで文化祭の演劇w
しかもあのクライマックスが拍子抜けで、最後の一撃がチェンソーなのにまるで刀のような切れ味。
スパッと切れちゃうチェンソー…。
もういろいろとおかしすぎて「ハハッ…」って乾いた笑いがでちゃいました。
おまけ:ににに逃げろー!
一番最初のカラダ探しの時に、メガネ君が
ににに、にげろー!
って言うんです。
映画とはいえ「ににににげろー!」ってリアルで初めて聞いたかもw
にににっていらなくないですか?
逃げろって言いたいけど、言葉が怖くてちゃんとでなくて、「に、に…に…、逃げろー!!!みたいな感じならまだわかるんですがね。
台本で「ににに逃げろー!って書いてあったのをまんま読んだって感じがしてしまって、ここも笑ってしまいましたw
まとめ
個人的には観ていて苦しい映画でした。
脚本も演出もグッと刺さってくることもなく、陽キャが陰キャを理解したつもりになって描いているような、そんな歪な感じを受けました。
まあちょっと言い過ぎかもしれませんが。
ただ原作小説との違いをググってみたら原作は非常におもしろそうというのがわかったので、その点に関しては観てよかったのかもしれません。
あと橋本環奈のドアップがかわいすぎました。
橋本環奈好きなら観て損はないと思いますよ。
ホラー観たい人にはお勧めしません!